[ 4月8日(木) はれ 5:30〜21:00 36.5℃ 47.4㎏ ]
深夜1時頃に目が覚めた。電気はつけっぱなしだしメガネをかけたままだしで、いったいなにが起きているのかすぐに理解できず若干、混乱した。手元に転がった本が目に入り、あぁ、そういえば本を読んでいたんだった。と電気を消して、再び眠りにおちるのを待ってみた。しかし、さっぱり眠れなかったのでなんとなくApple musicのランキングを眺めてみた。
予想もしていなかった『すやすや赤ちゃんα波…』の文字の並びに、長女も寝ない子だったなぁ……と、とても懐かしくなった。そして、今日から中学校の制服着るんだなぁ……となんだか泣きたくなった。まずい、これは非常にまずい展開だ。とりあえず、いいおとなでも眠れるかしらと期待したものの、ん?これはなんだ?……あ!千と千尋!!と一人イントロドンしだしたので、慌てて目を瞑った。
いよいよ、入学式に向かうときがきた。
しかし、寝不足なこともあり出かける用意を始めるまでにいつも以上に時間がかかり、長女をハラハラさせてしまった。
「いま、何時?大丈夫??」
数えきれないほど聞かれ、そのたびに
「大丈夫だよ。むしろ早いくらいだからもう少しゆっくり歩こう?」
と言ってみるのだが、聞く耳を一切持ってくれない。2人で歩く初めての道。ゆっくりと踏みしめて行けるものだと思っていたのに。まぁ、原因はすべてわたしにあるわけだけど。長女が2歩ほど先を行き、履きなれないヒールに気を遣いながら必死について行くと、
「おめでとうございます」
とスクールガードさんに声をかけられて泣きそうになってしまった。小学校入学時からずっと見守ってくださっている方だ。
結局、集合時間ぴったりに着いた。早めに来ていた友だちを発見した長女はもうすでに心ここにあらず状態で
「もう行ってもいい?」
と言い、わたしの返事を待たずにさっさと行ってしまった。成長したのぅ……。涙
その後の長女はすっかり見失ってしまったので、昇降口入口に掲示されていたクラス発表を見てどのような反応をしていたかなど、さっぱりわからずじまいで余計に淋しくなってしまった。
ひたすら待つこと約1時間。保護者の受付時間となり1組から順に長女の名前を探す。……あった。と思ったら、1文字違っていた。改めてまた探す。今度こそ、あった。しかし、よく聞く名前の子たちがその表には1人もいない。ほかのクラスにすっかり固まってしまっている。すごい。長女だけ見事に離されている。今ごろ、初めて入る教室でぽつんと1人、硬い表情で座っているのでは?と勝手に想像して、勝手に切なくなってしまった。
式が終わり、教室での学級委員選出。あぁ、きたわ。こういうガマン比べ大会がとてもとても苦手だ。耐えられない。進行役の先生の緊張も伝わってくる。えぇええい!いってしまえぇええ!!
「ありがとうございますぅぅう……」
先生がホッとした表情をされていて、わたしもホッとした。最初に手を挙げれば、残りの委員もはやく決まるもんだ。よかった、これで帰れる。はぁ、お腹空いた。きっと外で待っている長女もクタクタでペコペコに違いない。
長女との帰り道。
「ママ、学年委員になったよ」
「えっ?そうなの?」
驚いているようだった。仕事を始めてからというもの、すっかり”学校”とは縁遠い保護者になってしまったからだろう。
「ママも1年生だから。学校のこと、たくさん知りたくて。とりあえず、仕事を休む口実ができて嬉しいよ」
「そっかぁ。じゃあ、ウチも学級委員に立候補しようかな」
わたしが委員をやることによって、長女の中学校生活が少しでも色鮮やかになったらこんなに嬉しいことはない。
帰宅後、今までずっと真っ白にしていた手帳にさっそく”初顔合わせ”と記入した。