[5月16日(日) くもり 47.7㎏ ]
TOKYO2020でのField Cast活動のため、ユニフォームと身分証を受け取りに茨城へ行ってきた。東京会場に入れるのは都民限定とのことで仕方なく選択した会場だったが、行ったことのないまちというのはやはり心が弾む。
気が付けば、なんだかちょっとしたお出かけに行くような気分になっていて、
2両!!かわいいかよ!!!
なんて写真を撮っていた。
なんだか淋しげに見えるのは、複雑なきもちで眺めているわたしの心のせいか。
帰りに鹿島神宮を拝んでいこうかと思ったが、なにを拝むのか、そもそもそういうの信じてないんだった。浮かれすぎだろと我にかえる。
下から見てもやっぱりかわいい2両。
なぜか道端の花すら撮りたくなる。恐るべし鹿嶋市。
やっと到着。駅から徒歩20分。直前まで第一町人(まちびと)とすれ違うことなく、不安で仕方なかったこともあり、撮らずにはいられなかった。
1人また1人と濃紺のオリジナルバッグを下げて出てくる。みんなどんな心境なのだろう。そして、わたしはどんな顔して出てくるのだろう。
こんな状況でなければ、ここで交流会が開かれたりしたんだろうなあと妄想しつつ、おにぎりを食す。いつもだったら絶対に選ばない種類の。これも土地のチカラか。恐るべし鹿嶋市。
予約した時間より5分ほど早く受付を済ませる。その場でラミネートされたばかりの、文字通り出来たてほかほかの身分証をぶら下げながら、試着室へ向かう。
……え???
サイズ申請をした頃はどんだけ痩せてたんだろうかと悲しくなるほど、小さかった。
「わたし、なんだか太ったみたいで。やだもう、ほんとにぃ」
と近くにいた女性がわたしを見ていた気がして照れ隠しにおちゃらけてみたら
「私はずいぶん大きいのにしちゃったみたいで……」
と言われ、あらま……逆のパターンもあるんかとなった。
「サイズ測ったの、だいぶ前ですもんねぇ」
とフォローしつつ、改めて自分のだらしなさ加減が恥ずかしくなり言い訳したりした。それからしばらくのあいだ女性も一緒になってアホみたいに脱いでは履いて、履いては脱いでを繰り返し結局、上下ともに2サイズ大きいものに変更した。
途端に周りの状況が見えて、順番待ちをしている方の存在を知った。わたしたちが脱ぎ履き脱ぎ履きしているあいだ、数人が入れ替わったことはわかっていたが、密にならないように定員が決まっていたのだとやっと気付いた。担当スタッフの方はわたしたちを急かすことなく温かく見守ってくださっていたが、きちんと空気を読まねばならんかったのだ。反省。
ずいぶん長居してしまったことが急に申し訳なくなって、女性に挨拶もせずに退室し、身分証を作成した部屋に戻った。帽子、ユニフォーム上下、靴下、靴などひとつひとつ確認しながら揃えて一式を受け取った。
会場をあとにして急に冷静になり、まずしたことはバッグの『TOKYO2020』と書かれた面をからだ側にして目立たなくすることだった。重さは思っていたほどではなかったが、心にずしりときた。
まるで爆弾を持たされたような。それはさすがに大袈裟か。いやしかし、帰宅したときのムスメたちの冷ややかな反応を見て、思った。これはやっぱり持って帰ってきてはいけないものだったようだ。ほんの少しでも心浮き立たせてしまったことに罪悪感をおぼえた。
手にしたら迷いが少しは消えるかと思ったのに、逆にますます彷徨っている。
いったいどうしたらいいのだろう。